Libvirtの利点は二つある。
一点目は、他の仮想化ソリューションへの移行が容易になることだ。
現時点でCentOSおよびRHELでは、仮想化ソリューションとしてXenとKVMをサポートしているが、今後Xenはサポートから外される方針のようだ。Xenユーザにとっては、KVMへの移行が今後の課題となるだろう。
移行時の課題の一つが、管理方法の変更だ。Xenでは通常、
xm
コマンドを用いて管理する。これはXen専用のコマンドなので、KVMを管理することはできない。CentOSおよびRHELでは、KVMとXenを統合管理するために、RPMパッケージlibvirt準備されている。Libvirtによる管理に慣れておけば、XenからKVMへの移行に役立つだろう。
Libvirtは、XenとKVMの他に、QEMU、Linux Containers、OpenVZ、UMLをサポートしている。将来的にはVMwareもサポートされる予定だ。
二点目は、セキュリティだ。
リモート管理の場合、Xenのアクセス制御は、IPアドレス・ホスト名ベースのものしかなく、貧弱だ。一方、Libvirtでは、ユーザ名・パスワード認証、Kerberos認証、および、TLS(SSL)による認証(および暗号化)をサポートしている。Iptablesを併用すれば、IPアドレスベースのアクセス制御も可能だ。
ローカルからの管理の場合、XenもlibvirtもUNIXソケットを使うが、Xenでは、rootに対する読み書き権限が与えられ、その他のユーザに関しては、読み取り権限が与えられていて、基本的に変更できない。一方、libvirtでは、任意の1グループを特権グループとして設定することができ、これに対して書き込み権限を与えることもできる。また、PolicyKitを使ったアクセス制御を行うこともできる。
2008/12/16追記:
Xenの新しいバージョンでは、新しい管理API・XenApiが準備されている。『XM and XenAPI developement on Xen Summit April 2007』によると、TLSによる暗号化やPAM認証が使えるらしい。
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