2008/02/01

DRACでリモートからCentOS 5.1をAnaconda Kickstartで完全自動PXEインストール・その1

こんなニッチな記事を書いて、自分以外の誰の役に立つのか、という疑問は湧くが…
  • DRACを使うと、キャラクタコンソールをリモートから操作することが可能。
  • PXEとローカルミラーリポジトリを利用すると、CD-ROMなどの媒体を一切利用しない、完全なネットワークインストールが可能。
  • Red Hat系のインストーラ、Anacondaは、Kickstartと呼ばれる、インストール自動化のための仕組みがある。
これら三つの知識を総合すると、完全にリモートから、つまり、対象機器のキーボードや画面に触れずに、Red Hat系のインストールが可能、ということが解る。それを実際にやってみようというわけだ。
しかも、OSインストール後の設定も併せて自動化してしまおう、というオマケ付きだ。

この作業には、以下が必要だ。
  • ローカルミラーリポジトリ
  • DHCPサーバおよびTFTPサーバ
  • DRACの付いたDELL PowerEdge
ローカルミラーリポジトリの代わりにインターネット接続環境を準備して、公式ミラーリポジトリを利用することも可能。
しかし、OSインストール後の設定作業をKickstartで行う場合、その作業を行うスクリプトのデバッグのため、再試行が必要となる。デバッグ作業の時間短縮のため、また、公式ミラーサイトに余計な負荷をかけないためにも、ローカルミラーリポジトリをお勧めする。
詳しい構築手順については、『ローカルミラーレポジトリ・その1・概要』から一連の記事を参照して欲しい。
後で解説するが、ローカルミラーリポジトリには、Anaconda Kickstartの設定ファイルも置く。

DHCPサーバおよびTFTPサーバの構築ついては、ここでは詳しくは解説しない。以下を参照して欲しい。
DHCPサーバ、TFTPサーバおよびローカルミラーリポジトリサーバは、一台で兼ねる事ができる。管理上も一台に集約した方がいいだろう。ここでは、このサーバをRepository (Repository.LocalDomain / 192.168.55.32)とする。

DHCPサーバに関しては、以下の様なエントリを追加する。
host Dom0 {
hardware ethernet 00:0d:56:XX:XX:XX;
fixed-address 192.168.55.31;
}
ここで、Dom0は、インストール対象のホスト名(FQDN: Dom0.LocalDomain)、00:0d:56:XX:XX:XXはそのMACアドレス。それに対して、ここでは、IPアドレス192.168.55.31を割り当てることを指定している。

TFTPサーバ上には、Dom0向けの設定ファイル/tftpboot/linux-install/pxelinux.cfg/01-00-0d-56-XX-XX-XXを準備する(ファイル名は、'01-'の後にDom0のMACアドレスを続けたもの)。内容は次の通り。
default centos5.1

label centos5.1
kernel centos5.1/vmlinuz
append load initrd=centos5.1/initrd.img devfs=nomount ksdevice=eth0 ks=http://Repository.LocalDomain/centos/5.1/Dom0-ks.cfg
最後の行のappendディレクティブで、Anaconda Kickstartの設定ファイルの場所を指定している。

次回は、Kickstartの設定ファイルの内容を解説。

DRACでリモートからCentOS 5.1をAnaconda Kickstartで完全自動PXEインストール・その1
DRACでリモートからCentOS 5.1をAnaconda Kickstartで完全自動PXEインストール・その2
DRACでリモートからCentOS 5.1をAnaconda Kickstartで完全自動PXEインストール・その3

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