ただし、今回の構成には、問題点がある。
- クラスタcDomUsのメンバ、
dc[123]
が仮想マシンフェンス(XVMフェンス)された場合、システム起動されても、iSCSIの接続は復旧しない。この場合、VGcDomUs00やLVGFS00は認識されず、GFS2ファイルシステムはマウントされない。 - iSCSIターゲット=イニシエータ間のパスが何らかの不具合で一時的に切断された場合、その後障害が復旧しても、当該パスは自動的に復旧しない。
ターゲット側で使用するscsi-target-utilsで提供されるサービスtgtdは、同一パス・同一イニシエータ名でのセッションでの多重接続を拒否する。従って、イニシエータ側では、ユニークなイニシエータ名を使用する必要がある。従って、少なくとも現時点では、CentOS 5をiSCSIターゲットとしたシステムでは、Device-Mapper Multipathの利点を活かしきれない。
また、tgtdは、イニシエータが正常なログアウト処理を行わずに停止した場合、そのイニシエータに対するセッションを保持し続ける。このイニシエータが再起動され、ターゲットにログインしようとすると、ターゲット側には同一パス・同一イニシエータ名のセッションが残っているため、ターゲットはこのログインを拒否する。このため、このイニシエータはストレージにアクセスできなくなってしまう。
『その1・概要』
『その2・インストールとクラスタの構成』
『その3・iSCSIターゲットの設定』
『その4・iSCSIイニシエータの設定』
『その5・Device-Mapper Multipathの設定』
『その6・CLVMの設定』
『その7・GFS2の設定』
『その8・Congaでの設定』
『その9・考察』
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