前回、IPマルチキャストの設定について解説した。今回はその補足。
前回の設定を『VLANとXenを組合わせて使う・その2・VLAN設定』で解説したようなVLANインターフェースに対して同様に
/etc/sysconfig/static-routes
内に設定を書いてもマルチキャストアドレスに対する経路(ルーティング)が設定されない。詳しくは調べていないのだが、これは、/etc/sysconfig/static-routes
が、VLANインターフェースが起動されるより前に処理されることが原因のようだ。ネットワークの起動スクリプト
/etc/init.d/network
の中には、/etc/sysconfig/static-routes
について# Add non interface-specific static-routes.とある。
従って、VLANインターフェースに対してマルチキャスト経路を設定する場合は、VLANインターフェースが起動された後に経路を設定すればよい。これを実現するためには、インターフェース毎の経路を設定する
/etc/sysconfig/network-scripts/route-デバイス名
もしくは/etc/sysconfig/network-scripts/デバイス名.route
に経路を記述する。前者は、新書式(new format)と旧書式(old format)の二種類の書式を使えるが、後者は新書式のみに対応している。システム設定コマンドsystem-config-network
で扱うのは後者。旧書式の場合は、
multicast 224.0.0.0/4 dev eth0.1000の様に記述する。行頭の
multicast
は省略可能だ。パラメータは、ip route add
コマンドで指定するものと同じ。新書式では、
ADDRESS0=224.0.0.0 NETMASK0=240.0.0.0の様に記述する。
通常の静的経路の場合は、
ADDRESSN=IPアドレス
およびNETMASKN=ネットマスク
に加えて、next hop routerを指定するGATEWAYN=IPアドレス
を指定するが、マルチキャスト経路の場合にはこれを指定しない。詳しくは/etc/sysconfig/network-scripts/ifup-routes
を参照のこと。
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